2016.08.11

試練ばかりの旅打ちで、
元気をくれた門別競馬場の「おもてなし」

  • 新山藍朗●旅人 Traveler&text&photo by Niiyama Airo

 札幌駅に着いたのは、13時19分。札幌から門別競馬場までは無料の送迎バスがあるが、1日1往復のみで、この時間にはすでに札幌を出てしまっている。

 となると、再びJRの各駅列車で行くことになるが、15時20分まで連絡する電車がない。ひとまず、ホテルにチェックインしてから出直すことにした。

 門別競馬場の最寄り駅は、JR日高本線の富川駅。ただ、日高本線は昨年発生した土砂災害からまだ復旧しておらず、鵡川まで行って、そこからは代行バスに乗り換えた。

 なんとか富川駅に着いたのは、18時05分だった。

 移動疲れもあってか、ややふらふらしながらバスを降りた。その瞬間、がく然とした。

 そこには人気(ひとけ)のない駅舎があるのみで、競馬場まで行くバスも、タクシーも見当たらない。だいたい、普段からそんなものがあるのか、と言いたくなるほど閑散としている。

 仕方なく、一緒にバスを降りた地元の高校生に競馬場までの道を尋ねてみたが、すかさず「本当に歩いていくんですか?」と呆れられた。聞けば、長くだらだらと続く坂道を越えて1時間近くはかかるという。

 朝早くに帯広を出て、ようやく目的地近くまでたどり着いたというのに、またしても試練だ。