試練ばかりの旅打ちで、元気をくれた門別競馬場の「おもてなし」

  • 新山藍朗●旅人 Traveler&text&photo by Niiyama Airo

「夏競馬」珍道中~北日本編(8)

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北海道の「旅打ち」もいよいよクライマックス。photo by AFLO北海道の「旅打ち」もいよいよクライマックス。photo by AFLO 盛岡→札幌→帯広と渡り歩いてきた「旅打ち」も、いよいよ次の門別が最後となる。

 これまでの3カ所は、どれも過去に行ったことがあったが、門別は今回初めて訪れる競馬場。だから、とても楽しみにしている。

 けれども、札幌、帯広と連敗。というか、どちらもまったく当たらずの"ボウズ"だったので、財布の中がかなり心細くなっている。その意味では、「楽しみ」なんて本当は言っている場合ではないかもしれない。が、ここまで来たからには、行くしかない。旅の最後に起死回生の一発を狙うつもりだ。

 帯広から門別に行くためには、まず札幌に戻らなければならない。もはや無駄なお金は使えないので、昨日と同じく「オトクなきっぷ()」を使って各駅列車で行くしかない。
※1週間の有効期間内なら、JR東日本とJR北海道の普通列車が乗り放題という「北海道&東日本パス」。値段は1万850円。ただし、特急電車使用の際には乗車券として使用できず、新たにその間の乗車券も必要となる。

 朝6時52分発の電車に乗って、帯広駅を出た。同じホームの反対側には、札幌行きの特急列車が発車の時間を待っていた。

「あっちに乗れば、あっという間に札幌に着くのに......」

 ゆっくりと電車が動き出す中、ちょっとうらめしい気分になった。

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