帯広へ向かう車窓から、ばんえい競馬の行く末に思いを馳せる (4ページ目)

  • 新山藍朗●旅人 Traveler&text&photo by Niiyama Airo

 ばんえい競馬も、売り上げの減少によって「廃止すべし」の声が膨らんで、2007年からは帯広だけの単独開催となって、あとの3場は2006年に廃止となった。

 競馬と、経済、文化の関係については、いろいろな意見があると思うし、必ずしも「文化だから、絶対に残さなければならない」というものでもないような気がする。ただ、最後に残った帯広のばんえい競馬だけは「絶対に廃止させてはならない」と、開拓者たちの心も癒したであろう北海道の雄大な景色を見つめながら、強く思った。

『北の国から』で有名な富良野を経由して帯広へ『北の国から』で有名な富良野を経由して帯広へ 列車は、あのテレビドラマ『北の国から』の舞台として有名な富良野で30分ほど時間調整して、再び帯広へ向けて走り出した。

 さっきまで青空が広がっていたのに、富良野の手前あたりから雨が降り始めた。こういう天気も、北海道らしい。

 帯広到着は、午後2時11分。

 改札を抜けて駅の外へ出ると、それまで降り続いていた雨がさっとやんだ。

 これは吉兆だろうか。

(つづく)

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