「旅打ち」の醍醐味を味わえる札幌。施設よし、食よし、馬券は? (4ページ目)

  • 新山藍朗●旅人 Traveler&text by Niiyama Airo
  • 千葉 茂●撮影 photo by Chiba Shigeru

 この馬が連に絡むことには、かなり自信があった。ただ、相手が難しく、馬券は馬連で手広く8頭に流した。

 1点300円で、計2400円。ここまで3連敗だったうえ、同時開催の新潟の重賞アイビスサマーダッシュも購入したため、軍資金の余裕がなくなって、こんな中途半端な買い方になってしまった。

 道中はもう、7枠11番から発走したシャルールしか見ていない。

 小回りコースのセオリーどおり、前目のいい位置につけ、ピタリと折り合いもついている。最後のコーナーを手応え十分に回ってきたときには、もう「勝った」と思った。

 しかし、しかし、である。そのシャルールの外から、何かがすごい勢いで飛んできたのだ。

「なんだ!?」と思って目を凝らすと、これがなんと、馬券を購入するときに最後の最後で切った2枠2番のマコトブリジャール(牝6歳)ではないか。

「よせ! 来るな!」「来るなら、他の馬にして!」と叫んでも、マコトブリジャールの勢いは一向に衰えず、ついにはシャルールまでとらえて勝ってしまった。

 あぁ~。長旅の疲れもたたってか、腰から崩れ落ちた。

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