オークス馬シンハライトの妹ミリッサ「レースを使えばすぐ勝てる」 (2ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara

 同馬の育成が行なわれたのは、ノーザンファーム早来(北海道安平町)。育成を担当した岡真治氏の目には、その素材のよさが焼き付いているようだ。春の取材ではこんな評価をしていた。

「前向きな性格で、これまでの雰囲気はすごくいいですね。調教を強めればいくらでも動きそうです。シンハライトとは父が違うのですが、その分、距離適性もミリッサのほうが短距離向きになるかと思っています」

 ディープインパクトを父に持つシンハライトに対し、ミリッサの父はダイワメジャー。この種牡馬は中・短距離型の産駒が多く、ミリッサも同じタイプとなりそうだ。とすれば、シンハライトの届かなかった桜花賞のタイトルが最大目標になるのではないか。

 なお、ミリッサも春の時点で428kgと体の小さなタイプ。とはいえ、姉もそうだったため、特別不安材料にはならないだろう。もちろん、岡氏をはじめ、スタッフもその点は心得ている。

「レースを使えば、ポンと勝てそうなくらいの動きをしていますが、まだ体が小さいので成長を促すことに力を入れています。あえてセーブ気味の調教メニューにしており、体はもっと大きくなると思いますね。デビューは秋頃になるのではないでしょうか」(岡氏)

 これからミリッサを管理するのは、石坂正厩舎(栗東トレセン/滋賀県)。シンハライトをはじめ、兄姉のほとんどが所属してきた厩舎であり、この血統を知り尽くしたチームである。小柄な姉を育て上げた経験を武器に、妹をもクラシックへと導いてくれるかもしれない。

 シンハライトが輝きを見せた2016年の牝馬クラシック。来年は、その妹であるミリッサが同じ舞台で飛躍するのか、今から楽しみだ。

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