夢のような血統のモクレレ。両親のディープとアパパネが「三冠馬」

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara

 その偉大な2頭を両親に持つのが、モクレレである。この背景を考えただけでも、期待しないほうがおかしいという血統だ。

 同馬が育成期間を過ごしたノーザンファーム空港牧場(北海道苫小牧市)でも、スタッフの評価はすこぶる高い。担当した細田誠二氏は、この春の取材でこんなコメントを残していた。

「この馬は、かなりいいところまでいけると思います。血統のよさはもちろんのこと、何より走りの水準が非常に高いですからね。動き自体は文句なしで、1ハロン(200m)を16秒で走らせている感覚なのに、実際は15秒台の時計が出ている。そのくらい軽く走ってしまいます」

 動きのよさに限らず、スタッフが太鼓判を押す要素は他にもあるようだ。細田氏が続ける。

「調教が終わってからも息の入りが早いんです。坂路を上がった瞬間に息が入っている感じです。育成を行なってから休んだこともなく、すごく順調ですね。デビューへ向けて動き出すのは秋頃になると思いますが、クラシックに乗ってほしい馬。そのくらいの手応えがあります」

 モクレレを管理する予定になっているのは、母と同じ国枝栄厩舎(美浦トレセン/茨城県)。アパパネを三冠馬へと導いたスタッフなら、息子の才能も開花させてくれるだろう。

 父も、母も「三冠馬」というモクレレ。夢の配合から生まれた同馬に期待するのは、やはり両親と同じ道をたどること――すなわち、史上8頭目の三冠馬になることである。

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