メンタルを鍛えたドゥラメンテ。宝塚記念を勝って「世界制覇」へ (4ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu   村田利之●撮影 photo by Murata Toshiyuki

 つまり、帰国後の調整過程も問題なく、さらにメンタルもフィジカルも強化されている、というのが牧野氏の見立てである。また、中山記念では今回人気の一頭に挙がるアンビシャスを軽く捻り、そのアンビシャスは続く大阪杯でキタサンブラック、ショウナンパンドラ、ラブリーデイらを負かした。中山記念3着のリアルスティールはドバイターフを勝ち、7着のロゴタイプも続く安田記念を制している。単純な比較に加え、その中山記念よりもパワーアップしているとなれば、相手関係に関しても死角が見当たらなくなる。

「なかなかメディアに情報を出してくれない堀厩舎ですが、話が少ない分、逆に判断はしやすいという面もあります。安田記念のときは、やはり状態に自信が持ちきれなかったのでしょう、ギリギリまで出走のGOサインを引き延ばして、状態面でも歯切れがいい話は聞けませんでした。今回はモーリスのときとは対照的なコメントがスタッフからも出ていますし、調整はかなりうまくいっているのだと思います。

 あとは細かいところで、阪神競馬場の出張馬房が道路に近くちょっとうるさいのと、この一族が暑い時期にあまりよくない、という点が気になるといえば気になりますので、この点を踏まえて、当日のパドックの気配で最終確認をおすすめします」(牧野氏)

 このあとに控える凱旋門賞遠征では、日本競馬の悲願達成と同時に、ドバイで敗れたポストポンドへのリベンジも果たせねばならない。ディープインパクトやナカヤマフェスタ、オルフェーヴルを超えるためにも、ここで圧倒的な力を見せ、まずは国内制圧で復権を果たしたい。

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