メンタルを鍛えたドゥラメンテ。宝塚記念を勝って「世界制覇」へ

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu   村田利之●撮影 photo by Murata Toshiyuki

「この3点は未知数な部分が多いですからね。とはいえ、宝塚記念に向けての調整を見る限り、これらの点はあっさりクリアしてしまうと見ていますよ」(牧野氏)

 ドバイ後に帰国したドゥラメンテは検疫と休養を経て、ノーザンファームしがらきから美浦トレセンに戻ったのが5月19日。それ以降は放牧や外部の調教施設などには出されず、美浦でじっくりと調整が続けられてきた。チャンピオンズマイルから帰国後、検疫の事情から美浦トレセンには戻れず、東京競馬場に1頭のみで滞在して調整がされた前出のモーリスと比べても、時間的にも余裕が感じられる調整過程を積まれている。

「あと、最近の調教ではメンコを外しているんですよ。どうもミルコ・デムーロ騎手からの進言のようで、先週の木曜日(6月16日)もデムーロ騎手が来て追い切りを行なったんですが、そのときも着用していませんでした。以前はコントロールが効かないところもあったのですが、そういったうるさい仕草も見せなくなって、『えっ!?』と思うぐらい落ち着いてますね。

 だからといって、小さくまとまってしまったかといえば、決してそうではありません。3歳時はサトノクラウンと調教で決定的な差を感じませんでしたが、今回併せたときにはダイナミックさが、まるで違って見えました。シルエットもいい意味でゴツさを増していて、シンプルに言えば、中山記念前よりもさらにバージョンアップしたな、という印象です」

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