コース適性はナンバー1。あるぞ、ラブリーデイの宝塚記念連覇

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo
  • 村田利之●撮影 photo by Murata Toshiyuki

特集:宝塚記念 打倒!ドゥラメンテ(3)

 昨年の宝塚記念(阪神・芝2200m)の勝ち馬、ラブリーデイ(牡6歳)。同馬は昨年のファン投票で何位だったのか? そう聞かれて答えられる人は、かなりの"競馬通"と言えるだろう。

 答えは、当時も現在も「GIに参加するだけ」といった状態にあるメイショウマンボ(牝6歳)よりも、さらに2ランク下の27位。"泡沫(ほうまつ)候補"のようなものだった。

 デビュー以来、なかなか重賞を勝てない"イマイチくん"といったイメージのあったラブリーデイ。昨年になって、年明けにGIII中山金杯(中山・芝2000m)、GII京都記念(京都・芝2200m)と重賞を立て続けに制したものの、その後のGII阪神大賞典(阪神・芝3000m)、GI天皇賞・春(京都・芝3200m)では見せ場なく、馬群に沈んだ(阪神大賞典6着、天皇賞・春8着)。おかげで、「さすがにトップレベル相手には厳しい」という評価が定着しつつあった。

 それゆえ、ファン投票27位という結果もやむを得ないと言える。しかし一方で、この馬の実力は「こんなものではない」と見ていた関係者やファンも少なからずいた。

 それらの人々は、阪神大賞典にしても、天皇賞・春にしても、もっぱら「距離が長すぎた」ことを敗因に挙げ、適距離に戻れば「もっと戦える」と評価していた。ラブリーデイは、それだけの経験を積み、稽古を重ね、馬体面の弱点が解消されてきたことで、まさに「別馬のように強くなってきた」と見ていたからだ。

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