39年ぶりの栄冠へ。老舗牧場が宝塚記念で夢を託す、アンビシャス (5ページ目)

  • 河合 力●文 text by Kawai Chikara
  • 村田利之●撮影 photo by Murata Toshiyuki

 ならば、古馬となって成長し、あらゆるものがかみ合いだした今、強敵相手にも悲願のGI奪取の可能性は大いにある。

 決戦を前にして、辻氏が改めてアンビシャスにエールを送る。

「オーナーさんや調教師さんなど、いろいろな方々の支えがなければ、牧場は続けられません。時には厳しい意見をいただいたり、私たちもわがままを言ってしまったり……。そういう中でみなさんとのつながりが深まっていきました。生産馬が勝てば、みんなが幸せになれますし、そういったつながりは、なお一層強くなっていきます。アンビシャスの走りで、みなさんと喜びを分かち合いたいですね」

 無冠ながら、V候補の一角として宝塚記念に臨むアンビシャス。GIの勲章を持つ強敵ぞろいだが、何ら気後れすることはない。これまで携わってきた多くの人たちの“思い”が、栄光への走りを後押ししてくれるはずである。

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