宝塚記念で三たび『まつり』か。キタサンブラックの勝算は?

  • 平出貴昭(サラブレッド血統センター)●文 text by Hiraide Takaaki 村田利之●撮影 photo by Murata Toshiyuki

【血統】
 父ブラックタイドは三冠馬でリーディングサイアー、ディープインパクトの1歳上の全兄。現役時はGIIスプリングSを勝ったものの、脚部不安のため大成はできなかったが、種牡馬としてはキタサンブラックを含め、4頭のJRA重賞勝ち馬を出し成功している。

 母シュガーハートは不出走。半兄に今年のGIIアメリカJCC3着のショウナンバッハ(父ステイゴールド)、いとこにGII日経新春杯2着のアドマイヤフライト(父マンハッタンカフェ)がいるが、他の出走馬と比べると地味な牝系と言えるだろう。

 母の父サクラバクシンオーも短距離向きの血統ではあるが、サクラバクシンオーの伯父にあたるアンバーシャダイの仔メジロライアンが1991年にこの宝塚記念を勝利し、サクラバクシンオーの父の父であるテスコボーイ産駒も、1977年トウショウボーイ、1983年ハギノカムイオーと2頭が勝利している。

 また、過去7年の勝ち馬6頭のうち5頭と共通する、サンデーサイレンスとノーザンテーストの血を持っており、GI宝塚記念とは相性の良い血統とも言える。

☆結論
 地味な血統だが宝塚記念とは好相性

【まとめ】
 以上、あらゆるファクターからキタサンブラックの勝算を探ってみたが、全体的にプラス材料が多かった。中でも、「先行有利のレース」「菊花賞と天皇賞・春を勝った4歳馬」の勝率が高いというのは心強いデータ。ドゥラメンテ、ラブリーデイなど強豪が揃うが、若さと勢いとデータは一歩リードしている感もある。競馬場で3度目の『まつり』が響きわたるというシーンも十分ありそうだ。


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