強力メンバーがそろっても、必ず荒れる安田記念「波乱の法則」 (5ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by AFLO

 ディサイファは7歳のベテランだが、陰りが見えるどころか、今が充実期。2走前にはGIIのAJCC(1月24日/中山・芝2200m)を快勝し、昨年も重賞2勝を挙げている。陣営からは「やっと馬が完成された」といったコメントも聞かれ、まだまだ飛躍が見込める。

 前走のGII日経賞(3月26日/中山・芝2500m)は5着と敗れたものの、意図せずにハナに立ってしまい、慣れないレースを強いられた。それでも、勝ったゴールドアクターとはコンマ5秒差。有馬記念馬を相手によく走ったと言える。

 そんなディサイファだが、これまで2000m前後の中距離路線で良績を残しており、マイル戦は決して得意舞台とは言えない。マイル戦を得意とする猛者がそろう中で、さすがに人気にはならないだろう。まさに「ここでは厳しい」という見方をされたダノンシャークのようではないか。

 かつて、ディサイファはGIIIエプソムカップ(東京・芝1800m)で勝利。同じ東京の舞台で200mの距離短縮なら、対応できる余地を残していると考えられる。まして、現在の好調さでは他の馬にもヒケをとらない。波乱を起こす可能性は大いにある。

 海外帰りの英雄、モーリスvsリアルスティールの激突に熱い視線が注がれる安田記念。はたして、その間隙を突く伏兵馬は現れるのか。日本ダービーに続く“ハイレベル”な一戦から目が離せない。

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