安田記念でモーリスに挑戦状! 川田将雅騎乗のサトノアラジン (3ページ目)

  • 平出貴昭(サラブレッド血統センター)●文 text by Hiraide Takaaki photo by Nikkansports

 ディープインパクト×ストームキャットの配合といえば、仏GIイスパーン賞を10馬身差圧勝したエイシンヒカリ、前述のリアルスティールの海外GI馬2頭に加え、キズナ(GIダービー)、アユサン(GI桜花賞)、そして姉ラキシスとGI馬5頭が出ているニックス(相性の良い)配合。キズナやエイシンヒカリなど中距離馬も多いが、桜花賞馬アユサンを出しているように、マイル戦向きのスピード馬も出している。

 ちなみに、この配合は35頭がJRAで出走し、勝ち上がった25頭で計70勝。5頭のGI馬、7頭の重賞勝ち馬を出している。ニックス配合といえばオルフェーヴル(牡馬クラシック三冠)やゴールドシップ(有馬記念などGI6勝)のステイゴールド×メジロマックイーンも有名だが、そちらは24頭が出走し勝ち馬11頭で計48勝、GI馬3頭、重賞勝ち馬4頭という数字。量も確率も、ディープインパクト×ストームキャット配合が上回っているのだ。前走海外でGIを勝利したモーリス、リアルスティールと、相手は強いが、現在の日本で最強とも言えるニックス配合の持ち主であるサトノアラジンが、重賞初制覇から一気にGIホースへと駆け上がっても不思議ではない。

 また、鞍上の川田将雅(ゆうが)騎手はマカヒキで日本ダービー初制覇をしたばかりと、騎手の勢いも十分。快挙の1週後に、ダービーでハナ差負かしたサトノダイヤモンドと同じ池江泰寿厩舎、里見治オーナーの馬に乗るというのも因縁めいている。勝てば里見治氏にとってもGI初制覇。川田将雅騎手の2週連続GI制覇、里見治氏のGI初制覇なるかというアプローチからも注目したい。

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