さあ2歳戦がスタート。中でもトゥザクラウンが注目されるわけ (2ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara

 それらの活躍馬とまったく同じ血統背景を持つのが、トゥザクラウンだ。期待が高まるのは無理もないが、デビュー前の育成段階から、すでに素晴らしい動きを見せているという。育成を担当したノーザンファーム早来(北海道)の木村浩崇氏は、今年4月の時点でこう語っていた。

「育成を始めた頃はまだ体がゆるい印象でしたが、今はシャープになって、動きも急激によくなりました。坂路を走っても、自分から進んでいきますし、文句なしの手応えで上がります。操縦性もあって、本当に優等生ですね」

 兄姉たちは重賞戦線で活躍してきたが、GIタイトルにはまだ手が届いていない。しかし、「この馬こそは......」と期待させるものがあるという。木村氏が続ける。

「重賞勝ちもある兄たちは、とりわけスピードの持続力が武器でした。一方で、トゥザクラウンはキレそうな感じです。また、調教をやってもへこたれず、休んだこともありません。乗り始めたときから背中の可動域が広くて、『これはすごいな』と思った馬。デキはいいですし、頼もしいです」

 トゥザクラウンを管理するのは、池江泰寿厩舎(栗東トレセン/滋賀県)。トゥザグローリーやトゥザワールドに続いて、この血統を見ることとなる。陣営にとっても、「今度こそ、この血統でGIを」という思いは強いはずだ。

 一族悲願のGI奪取に向けて、トゥザクラウンはどんな走りを見せるのか。クラシックの有力候補として、デビューの日を楽しみにしたい。

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