ダービー目前。蛯名騎手が語るディーマジェスティ「強さの秘密」 (4ページ目)

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo
  • 村田利之●撮影 photo by Murata Toshiyuki

「フットワークや走りの軽やかさ。そういったところに、父ディープインパクト(のよさ)がよく出ている。そこがいいね。それと、性格がおとなしくて、レースでも余計なことをしないこと。つまり、賢い。そこも、この馬の優れているところだね」

蛯名正義(えびな・まさよし)1969年3月19日生まれ。北海道出身。関東所属のトップジョッキー。5月23日現在、全国リーディング8位(34勝)。JRA通算2425勝、重賞123勝(うちGI25勝)。photo by Niiyama Airo蛯名正義(えびな・まさよし)1969年3月19日生まれ。北海道出身。関東所属のトップジョッキー。5月23日現在、全国リーディング8位(34勝)。JRA通算2425勝、重賞123勝(うちGI25勝)。photo by Niiyama Airo――ところで、ディーマジェスティは2月の共同通信杯からトライアル戦を挟まず、直行で皐月賞を制しました。このローテーションは、昨年の二冠馬ドゥラメンテ、一昨年の皐月賞馬イスラボニータと同じです。つまり、皐月賞は3年連続で共同通信杯からの直行組が勝っています。これが今、競馬ファンや関係者の間で話題になっていますが、蛯名騎手はその点について、どう思われますか。

「やはり日本の調教技術がそれだけ上がってきている、ということだろうね。海外では、トライアルを使わないでクラシックを勝つのはよくあるし、ラムタラ()みたいにデビュー2戦目でダービーを勝つ馬もいる。日本もそうしたことが可能になるくらい、調教技術が上がっているんだと思う。かつてはクラシックに向かうにあたって、トライアルを使わないと『息ができない』、つまり戦う状態に仕上がらないって言われたものだけど、もうそういう時代じゃない、ということは確かだと思う」
※アメリカ産の欧州調教馬。イギリスを舞台に活躍し、デビュー2戦目で英国ダービーを制覇。その後、3戦目で古馬混合のイギリス最高峰のレースであるキングジョージ6世&クイーンエリザベスSを、4戦目には世界最高峰のレースとなる凱旋門賞を制した。4戦4勝で欧州三大競走完全制覇を達成。「神の馬」と称された。

後編につづく。

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