オークスまであと5日。3歳世代の「最強牝馬」がついに見えた

  • text by Sportiva
  • 村田利之●撮影 photo by Murata Toshiyuki

   1位は、桜花賞2着のシンハライト。ジュエラーの離脱によって、一躍"主役"へと押し出される形となった。そうした経緯もあって、識者たちも全幅の信頼を寄せているわけではないようだが、本番でどんな走りを見せるのか、必見である。

吉田順一氏(デイリー馬三郎)
「血統的に無理使いができないタイプ。チューリップ賞(1着。3月5日/阪神・芝1600m)から桜花賞の間に接着装蹄(エクイロックス)に変わったのは、爪に不安が出てきた証拠です。それでも、桜花賞で僅差の2着と結果を出せたことは収穫と言えるでしょう。

 今回は、その桜花賞から中5週。初めての長距離輸送を考慮すると、次走への大きな上積みがあるかどうかは疑問ですが、レース後の反動は少なかったようで、この中間には坂路で順調に時計を出しています。前走同様、本番までにどれだけ攻めの調教ができるかがポイントになるでしょうね。

 また、体形や走法から距離延長がプラスになるとは言えませんが、折り合いがついて、自在性があるのは強み。出走予定のすべての馬が初めて経験する距離ですから、能力の差で難なくこなしてもおかしくありません。桜花賞前に『3強』と称された馬の中で、オークスに駒を進めるのは同馬だけ。無事、主役としての仕事を全うしてほしいと思います」

市丸博司氏(パソコン競馬ライター)
「桜花賞馬がリタイアしても、桜花賞組の牙城は崩れないでしょう。メジャーエンブレム(桜花賞4着)が快勝したNHKマイルCの結果を見ても、それは明らかです。シンハライトにとっては、距離適性だけが"壁"になりますが、メジャーエンブレム不在でペースは落ち着くはず。正味、最後の600~800mの瞬発力勝負になるなら、まったく問題ありません。シンハライトが、最もオークス馬に近い存在だと思います」

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