NHKマイルC、今度こそメジャーエンブレムが得意の舞台で巻き返す

  • 平出貴昭(サラブレッド血統センター)●文 text by Hiraide Takaaki  photo by AFLO

 ロードクエスト(牡3歳、美浦・小島茂之厩舎)はGI皐月賞(4月17日/中山・芝2000m)8着からの参戦。ここ3戦連敗が続いているが、昨年8月のGIII新潟2歳S(芝1600m)は上がり3F32秒8の脚で5馬身差の圧勝という強い内容で、2戦2勝のマイル戦に戻るのはプラスだろう。前走は早めに動いて末脚を失ったので、いかに我慢できるかがポイントになりそう。GI有馬記念を勝ったマツリダゴッホ産駒として初のGI馬となるか。

 2009年のGI皐月賞を勝った新種牡馬アンライバルド産駒のトウショウドラフタ(牡3歳、美浦・萱野浩二厩舎)も相当な能力の持ち主。昨秋のからまつ賞(2015年11月22日/東京)から左回りの芝1400mで3連勝を果たしている。2走前のクロッカスS(1月30日/東京)では2着に3馬身差を付ける完勝で、前走のファルコンS(3月19日・中京)では不良馬場をものともせず、後方追走から直線では大外を豪快に伸びて差し切っている。重馬場も馬群も苦にしない精神力の強さも心強い。勝利した4勝はすべて1400mと、距離にはやや不安があるので、ハイペースで前に壁を作って折り合いをつけたいところだろう。

 GI皐月賞を回避し、ここ一本に絞ってきたのがイモータル(牡3歳、栗東・須貝尚介厩舎)。2着に敗れたGIII共同通信杯(2月14日/東京・芝1800m)の勝ち馬ディーマジェスティがGI皐月賞を勝利したことから、この馬の評価も高まっている。新馬戦(新潟・芝1800m)を5馬身差で圧勝後、続くサウジアラビアロイヤルC(2015年10月10日/東京・芝1600m)でハナ差の2着。GI朝日杯フューチュリティS(同年12月20日/中山・芝1600m)では9着と崩れたが、前走のGIII共同通信杯で再び2着。左回りの3戦では連を外さない堅実な走りを見せている。約3カ月ぶりの実戦となるが、父マンハッタンカフェの産駒には2009年の勝ち馬ジョーカプチーノがいて、叔父にはGI独ダービー馬シロッコもいる底力あふれる血統。さらなる成長を見せてくれる可能性も高い。

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