他陣営もお手上げ? 年度代表馬モーリス、香港でGI4連勝へ

  • 土屋真光●文・写真 text & photo by Tsuchiya Masamitsu

 モーリスは、昨年の香港マイル優勝後は、滋賀県にあるノーザンファームしがらきで調整。当初は予備登録を行なった3月26日のGIドバイターフ(メイダン・芝1800m)で戦線復帰を予定していたが、ツメの不安による調整の遅れから、照準を春の香港に改めた。美浦に帰厩してからは4月14日に時計を出し、検疫に入ってからの翌週21日にはウッドチップコースで5ハロンから67秒5-37秒7-12秒2の追い切りを順調に消化した。

 現地での評価でいうと、今年初戦にもかかわらず、先週の日本勢3頭以上に「モーリスには逆らえない」という雰囲気が、地元だけでなく、他国のメディアからも伝わってきている。何しろ、昨年の香港マイルを文句なしの強さで制圧している。コース適性と能力は証明済み。加えて今回は、香港のリーディングジョッキーであるジョアン・モレイラ騎手を鞍上に迎える。これ以上ない援軍と言っていいだろう。

 さらに今年に限っていえば、香港マイルで3着だった昨年の覇者エイブルフレンドのような強力なライバルが不在という点も大きい。水曜日時点にも関わらず海外の大手ブックメーカーでは、2倍を切るオッズが示されており、その事実からも、モーリスの一本かぶり状態であることがわかる。

 万全の態勢で4月24日未明に香港に到着したモーリスは、翌25日にはオールウェザーコースで軽めの調整を行なった。前回の香港遠征も、同じく日曜日未明の香港着だったが、最初に馬場に入ったのは翌々日の朝のこと。それもじっくりと時間をかけてきわめて軽めの調整だったのに対し、今回は速い動きこそなかったものの素軽い動きを見せた。

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