大本命が沈む波乱。オークスに向けて激変の「3歳牝馬番付」

  • text by Sportiva
  • 村田利之●撮影 photo by Murata Toshiyuki

   1位は、桜花賞を制したジュエラー。前哨戦のチューリップ賞惜敗の雪辱を果たして、世代のトップに躍り出た。

吉田順一氏(デイリー馬三郎)

「自分の形で運べずに最悪の競馬となったメジャーエンブレム。そのメジャーエンブレムをマークして勝ちに動いたシンハイライト。これらに対して、ジュエラーは最後まで自分のスタイルを貫きました。それが、桜花賞の勝利につながったと言えるでしょう。

 また、ジュエラーは、パドックではチャカついて暴れるような性格のため、スタートが今ひとつ。跳びが大きい走法は非常に個性的で、のびのびと走らせたほうがパフォーマンスが上がるタイプ。緩んだペースの桜花賞では4角で団子状態となり、最後は瞬発力勝負になったことも大きかったと思います。

 500kgに迫る雄大な馬体ながら、緩みもなく、スラッとしています。胴長でストライドを稼げる走法はオークスでも魅力。広いコースは歓迎のクチで、気性的な不安を差し引いても、他馬を若干リードしていると思います」

市丸博司氏(パソコン競馬ライター)
「桜花賞ではシンハライトがいい目標になったと言えますが、上がり3ハロン33秒0という破壊力は抜群。追い出しをギリギリまで我慢して、素晴らしい瞬発力を見せてくれました。ただ、全体の時計的には想定の範囲内。史上空前の強烈なレースになることを期待していたため、結果としてはやや物足りなさを感じています。

 次のオークスですが、桜花賞上位組の中では、勝ったジュエラーが最も距離の融通が利かないように見えます。スタミナ勝負になったらきついかもしれません。とはいえ、近年のオークスではスローの上がり勝負となって距離適性が問われないことが多いので、そうなると十分に出番はあります」

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