ルメールが語るメジャーエンブレム「僕は邪魔しないように乗るだけ」 (3ページ目)

  • 新山藍朗●構成 text&photo by Niiyama Airo

――デビュー当時から、これほどの馬になると思っていましたか。

「東京のデビュー戦(芝1800m)を勝ったとき、ゴールしたあとも、まだ走り足りないという感じで、止まろうとしなかったですからね。あのとき、『この馬は強い。絶対にGI級の馬になる』と思いました」

――そんなに強いメジャーエンブレムが、3戦目のアルテミスS(2015年10月31日/東京・芝1600m)で2着に敗れてしまいました。あのときの敗因は、何だったのでしょうか。

「アイ・ドント・ノー、わからないね(笑)。ただ、その前の2走は楽勝で、自分のリズムで気ままに走ったら、難なく勝っちゃったというところがあったんだけど、アルテミスSではペースが遅くて、勝った馬(デンコウアンジュ/牝3歳)はずっと後ろのほうで脚をためていました。それでその馬が、ゴール手前で外から一気に来た。ああいう競馬は経験していませんからね、きっと彼女もびっくりしたんじゃないかな、と思います。結果、対応できなくて、その分、負けたんじゃないかと。

 ともあれ、あのレースはグッド・エクスペリエンスでしたね。競馬では、負かされることによって覚えることもありますから。あの負けは、いい勉強でした。馬にとっても、それ以上に僕にとってもね」

――前に行ってゴール前で突き放すというレースぶりから、メジャーエンブレムは叔母(父の妹)のダイワスカーレットに似ているという声もあります。ルメール騎手は、どう思いますか。

「僕も同感です。レースぶりだけでなく、走り方がすごく似ていると思うし、長くいい脚を使えるところや、延々と戦う気持ちが切れないところもよく似ています。それでも、3歳春の時点での比較では、メジャーエンブレムのほうが大人だし、完成度も高いのではないかと思っています」

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