ルメールが語るメジャーエンブレム「僕は邪魔しないように乗るだけ」 (2ページ目)

  • 新山藍朗●構成 text&photo by Niiyama Airo

――阪神JFに加えて、前走のクイーンC(2月13日/東京・芝1600m)の勝ちっぷりにも驚かされました。スタートしてすぐにトップスピードに乗ると、残り1400m時点からゴールまでずっと、10秒台、11秒台という速いラップを刻んでいました。あれでは、他の馬に「追いつけ」というのが無理な話。結果、5馬身差の圧勝で、時計も1分32秒5と優秀でした。実際に騎乗していての印象を教えてください。

クイーンCを圧勝して桜花賞に挑むメジャーエンブレム。photo by Murata ToshiyukiクイーンCを圧勝して桜花賞に挑むメジャーエンブレム。photo by Murata Toshiyuki「スタートしてからゴールするまで、楽に前に行けて、その楽に行けている状態をずっとキープできていました。だから、実際に乗っていても、そこまで自分がすごいスピードで走っている感覚はなかったんですよ。ゴール近くになって後ろを振り返ってみると、他の馬がみんなアップアップしていたから、そこでやっと、これはすごいスピードで走ってきたんじゃないか、と気づいた感じでした。馬が走り方を知っているから、僕が彼女をコントロールする必要なんて、ほとんどありません。僕はただ、(メジャーエンブレムの)邪魔をしないように乗っているだけですよ(笑)」

――メジャーエンブレムの一番の長所は、やはりそのスピード能力、ということでしょうか。

「3歳春の段階で、ここまでトップスピードをキープして走れる馬は珍しいと思います。ただそれは、そういうことを可能にするぐらい馬体がしっかりしているからで、父親(ダイワメジャー)譲りのパワフルできれいな馬体も彼女の長所です。加えて、気持ちの面でもクレバーで、タフ。2歳の頃から、パドックを周回するときは、いつも『私がボスよ』って感じで、周りを見下していましたからね。つまり、すべての面において、現段階での完成度が高い、ということです」

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