ハイレベルな大阪杯。「人気落ち」ヌーヴォレコルトに一発の予感 (2ページ目)

 強力な牝馬勢も参戦。なかでも、実績的にはジャパンカップの覇者ショウナンパンドラ(牝5歳)が断然です。しかしながら、今回はそのジャパンカップ以来となるレース。加えて、他の牝馬よりも2kg重い斤量56kgを背負います。ならば、GI勝ちはありませんが、鋭い決め手を秘めるタッチングスピーチ(牝4歳)のほうに食指が動きます。

 タッチングスピーチは、京都記念(2着。2月14日/京都・芝2200m)を叩いて年明け2戦目という強みがあって、鞍上が先週のGI高松宮記念を含めて重賞を立て続けに制している福永祐一騎手。こちらもまた、そのレースぶりを含めて、楽しみな一頭です。

牡馬一線級相手にもヒケをとらないヌーヴォレコルト牡馬一線級相手にもヒケをとらないヌーヴォレコルト 牝馬はもう一頭、ヌーヴォレコルト(牝5歳)が出走しますが、さすがにこのメンバーの中に入ると人気を落としそうです。しかし、逆にそこが狙い目です。これまでも、牡馬相手のレースでも常に上位人気に推されてきました。その能力と実績は申し分ありません。そこで今回の「ヒモ穴馬」には、この馬を取り上げたいと思います。

 確かに、一昨年オークス馬となって以降は、秋華賞、エリザベス女王杯と2着に惜敗。昨年も中山記念を勝っただけで、昨秋のエリザベス女王杯も再び2着にとどまりました。それでも、年末の香港C(2015年12月13日/香港・芝2000m)で2着となるなど、牝馬限定戦に限らず、牡馬一線級を相手にしても、安定した成績を残しています。

 また今回は、人気が落ちそうな分、乗る側のプレッシャーもなくなって、うまく立ち回れるような気がします。長くいい脚を使いながら、最後はどうしても決め手のある馬にやられてしまうイメージがありますが、それも人気を背負っているからこそ。人気を落としてマークが緩くなりそうな今回は、ようやくヌーヴォレコルトらしいレースができるのではないでしょうか。

 聞くところによると、鞍上の岩田康誠騎手は現在、美浦トレセン(茨城県)に拠点を置いているそうですね。そしてこの中間は、ヌーヴォレコトルトにも再三跨っているようです。圧勝することはないと思いますが、わずかな差でも勝ち切る、そんな絶妙な競馬を見せてくれるのではないでしょうか。一発の期待が高まります。

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プロフィール

  • 大西直宏

    大西直宏 (おおにし・なおひろ)

    1961年9月14日生まれ。東京都出身。1980年に騎手デビュー。1997年にはサニーブライアンで皐月賞と日本ダービーの二冠を達成した。2006年、騎手生活に幕を閉じ、現在は馬券を買う立場から「元騎手」として競馬を見て創造するターフ・メディア・クリエイターとして活躍中。育成牧場『N.Oレーシングステーブル』の代表も務め、クラシック好走馬を送り出した。

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