大激戦の高松宮記念、スノードラゴンの華麗なる復活劇を見逃すな (2ページ目)

 ミッキーアイルも、年明けは昨年と同じく阪急杯(2月28日/阪神・芝1400m)で始動。昨年は2着でしたが、今年は勝って本番を迎えるので、ますます目が離せません。

 ただ、ひとつだけ気になることがあります。それは、ここ最近は差す競馬で安定した成績を残してきていたのですが、前走の阪急杯では久しぶりに逃げて勝ったことです。

 確かにその勝ちっぷりを見れば、逃げたほうが同馬の持ち味がより生かされるように感じました。しかし、逃げてしまったことで、今回はさらに行く気になってしまうかもしれません。そこは、スタートしたあとの出方次第でしょうね。

 鞍上を務めるのは、前走に続いて松山弘平騎手(26歳)。まだGI勝利はありませんが、昨年70勝を挙げた伸び盛りの若手騎手です。何とか、がんばってほしいものです。

 上記2頭の他にも、ルメール騎手が騎乗するアルビアーノ(牝4歳)をはじめ、オーシャンSを結果的にノーステッキで勝ったエイシンブルズアイ(牡5歳)、不運が続いているビッグアーサー(牡5歳)に、桜花賞馬のレッツゴードンキ(牝4歳)など、有力馬を挙げれば枚挙にいとまがありません。どの馬が勝っても、驚くことがないメンバー構成です。

8歳になっても、衰え知らずの走りを見せるスノードラゴン8歳になっても、衰え知らずの走りを見せるスノードラゴン そうした状況にあって、今回の「ヒモ穴馬」には、スノードラゴン(牡8歳)を取り上げたいと思います。一昨年(2014年)の2着馬で、同年秋にはスプリンターズS(新潟・芝1200m)を制覇。その年の最優秀短距離馬に輝いた実力馬です。

 正直、前走・オーシャンS(3着)の走りには驚きました。2014年12月の香港スプリント以来、15カ月ぶりの競馬で、しかもスピード勝負の短距離戦。さすがに厳しい戦いになると思っていたのですが、道中楽に追走し、直線に入ってからもグイグイと伸びてきました。これは、地力の高さという以外の何物でもないでしょう。

 長期休養明けで激走してしまうと、次はその反動が心配されますが、逆に上積みが見込める場合もあります。それに何と言っても、この馬の走りを見る限り、舞台が左回りに替わるのは、大きなプラスになると思います。

 世間の評価はまだ低いと思いますが、2014年の最優秀短距離馬の、見事な復活劇があっても不思議ではありません。楽しみですね。

大西直宏オフィシャルブログ>

プロフィール

  • 大西直宏

    大西直宏 (おおにし・なおひろ)

    1961年9月14日生まれ。東京都出身。1980年に騎手デビュー。1997年にはサニーブライアンで皐月賞と日本ダービーの二冠を達成した。2006年、騎手生活に幕を閉じ、現在は馬券を買う立場から「元騎手」として競馬を見て創造するターフ・メディア・クリエイターとして活躍中。育成牧場『N.Oレーシングステーブル』の代表も務め、クラシック好走馬を送り出した。

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