有力馬回避、逃げ馬だらけで大混戦の高松宮記念を制するのは?

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu   photo by Yamane Eiichi/AFLO

 昨年の2着馬で、前走のGIIIオーシャンステークス(3月6日/中山・芝1200m)でも前半32秒1の超ハイペースで2着に粘りこんだハクサンムーン(牡8)と、3連勝で臨んだシルクロードS(1月31日/京都・1200m)で初重賞挑戦ながら、逃げまくって2着と目下勢いに乗るローレルベローチェ(牡5)、さらに昨秋のGIIセントウルステークス(2015年9月13日/阪神・芝1200m)を好時計で逃げ切ったアクティブミノル(牡4)とのハナ争いになる。いずれも行き切ってなんぼのスピードスターたちで、先行争いの激化は当然免れない。

 さらに、現在の中京の馬場状態も気になるところ。先週、中京で騎乗した騎手によれば「今の中京の芝短距離で逃げるのは自殺行為」と漏らすほど、逃げ馬に向かない馬場になっているというのだ。彼は12月からあまり休みなく開催が続いたことによる馬場の悪化が原因ではないかと指摘する。中京競馬場はこれまでのAコースから、今週のみ、仮柵の置かれたBコースとなる。これが逃げ馬たちにどう影響を及ぼすか。

 また、ミッキーアイルにとっての懸念は、距離にもある。ディープインパクトの産駒はこれまでに多くの重賞、GI勝利を収めているが、芝1200mに関してはGI勝利がなく、重賞勝ちも昨年のウリウリによるCBC賞(中京・芝1200m)が初めてだった。さらに、NHKマイルCの勝ち馬も、その後に芝1200mのGIで勝利したことがないというデータも。

 このような強力な同型ライバルと不安なデータ、これらをミッキーアイルがどう乗り越えるか。


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