クラシックに直結の弥生賞。中山コースへの適性で逆転もある (3ページ目)

  • 平出貴昭(サラブレッド血統センター)●文 text by Hiraide Takaaki  photo by AFLO

 エアスピネルの最大のセールスポイントは、気性の素直さによるレースのしやすさ。折り合いの不安もなく、不利を受けにくい好位からの競馬ができるし、瞬発力も水準以上のものを持っている。特に直線の短い中山コースはそういった適性がものを言うケースが多いのだ。

 血統的には、祖母の半兄エアシャカールは2000年のこのレース2着をステップにGI皐月賞を勝利。2歳時にも同条件のOPホープフルステークスを制している。さらに伯父エアシェイディも中山芝2200mのGIIアメリカJCCを勝ち、GI有馬記念でも2度3着に入った中山巧者だった。このように中山コース向きの血が揃っており、この中山芝2000mはエアスピネルに向くコースと言える。近親の活躍馬はほとんどが中距離タイプということもあり、距離延長もプラスに働くだろう。GII弥生賞、GI皐月賞はリオンディーズにリベンジする絶好の舞台だ。

 実績馬2頭に待ったをかけるのが、デビューから前走のOP若駒ステークス(1月23日/京都・芝2000m)と2戦2勝のマカヒキ(牡3、栗東・友道康夫厩舎、父ディープインパクト)だ。そのOP若駒ステークスでは上がり3ハロンのタイムが32秒6と、ディープインパクト産駒らしい極限の瞬発力を見せて差し切り。瞬発力ならリオンディーズに勝るとも劣らない存在で、今回が初めての重賞挑戦となるが、どこまで通用するか注目される。血統は、全姉にGIII京都牝馬ステークス(京都・芝1600m)、GIII CBC賞(中京・芝1200m)を勝ったウリウリがいることから、どちらかというとスピード寄りのイメージ。ただ、父ディープインパクト×母の父フレンチデピュティという配合は2013年の勝ち馬カミノタサハラや、昨年のGIジャパンカップを勝ったショウナンパンドラと同じ。2000~2400mの大レースでも引けをとらない配合といえる。2頭に割って入るか注目したい。

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