出世レースの共同通信杯。春も見据えて、ハートレーに注目 (3ページ目)

  • 平出貴昭(サラブレッド血統センター)●文 text by Hiraide Takaaki  photo by Nikkan sports

 その父フジキセキの産駒は2013年メイケイペガスター、2014年イスラボニータと、産駒がこのレースを連覇しており、このレースとこの馬の父系は極めて相性が良い。母レディアップステージは3歳夏にアイルランド芝10ハロン(約2000m)のGIIプリティポリーSを勝ち、GI英オークス5着、仏GIオペラ賞3着などGI戦線でも活躍した一流馬。姉タガノミュルザンヌ(忘れな草賞2着)、兄タガノラルフ(中京2歳S2着)など姉兄も高い素質を秘めた馬だった。父はマイルでGI勝ちを収めたが、母は中長距離戦線で実績を残し、祖母の父シェルナズールもスタミナタイプの種牡馬なので、距離の融通は利きそう。過去3戦走り慣れた1800mの今回も上位争いしてくるだろうし、今後、距離が延びても対応できそうだ。
 
  マンハッタンカフェ産駒もなかなかの良血馬が2頭。リスペクトアースはドバイミレニアム(UAE GIドバイワールドカップ)やティンバーカントリー(米GIプリークネスステークス)、アジアエクスプレス(GI朝日杯フューチュリティステークス)などが出た名門牝系の出身。逃げるタイプなので、先週のGIII東京新聞杯で逃げ切ったスマートレイアーのように、展開の利が見込める可能性も大きい。
 
 イモータルは叔父に米GIBCターフを勝ったシロッコなどがいる血統。母の父アカテナンゴは独GI独ダービーなどGI7勝を挙げた名馬だ。芝1600mのサウジアラビアロイヤルCで2着に入っているが、血統的にはスタミナ寄りなので、この距離のほうが良いだろう。GI朝日杯フューチュリティステークス9着からの巻き返しが期待される。

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