出世レースの共同通信杯。春も見据えて、ハートレーに注目 (2ページ目)

  • 平出貴昭(サラブレッド血統センター)●文 text by Hiraide Takaaki  photo by Nikkan sports

 1番人気の支持を集めそうなハートレーは、昨年のGIIホープフルステークス(12月27日/中山・芝2000m)を鋭い瞬発力で制したディープインパクト産駒だ。母ウィキッドリーパーフェクトは2歳時4戦3勝のみと早くに引退したが、オールウェザー(ダートでも芝でもない全天候型馬場)8.5ハロン(約1700m)の米GIアルシバイアディーズステークスを2馬身差で逃げ切ったスピード馬だった。その父コングラツはエーピーインディ産駒でダート8.5ハロン(約1700m)米GII1勝の馬だが、ウィキッドリーパーフェクト以外にも2頭のGI馬を出している。そして祖母の父タクティカルキャットは、キズナ(日本ダービー)やエイシンヒカリ(香港カップ)などディープインパクト産駒とのニックス(優秀な馬が生まれる可能性が高い血統の組み合わせ)で知られるストームキャットを父に持つ種牡馬だ。

 本馬は意外にも、エーピーインディの血を持つディープインパクト産駒として初の重賞勝ち馬。全体的にスピード寄りの配合なので、過去2戦の2000mからの距離短縮は問題ないだろう。新馬戦(芝2000m)で既に東京コースを経験して快勝しており、今回もいい走りが期待できる。皐月賞に向けてはコースや距離の不安は少ないが、日本ダービーの2400mとなるとやや不安があるので、そういった点も踏まえて、どんな走りを見せるのか注目したい。

 スマートオーディンは同じ条件で行なわれた昨年のGIII東京スポーツ杯2歳ステークス(11月23日/東京・芝1800m)の勝ち馬。デビューから3戦の上がり3ハロンタイムが33秒3、33秒5、32秒9という、類いまれなる瞬発力の持ち主だ。父ダノンシャンティは2010年のこのレースで、メンバー最速となった33秒5の脚を見せてハンソデバンドの2着に入った馬。その後、GIII毎日杯、GINHKマイルCを連勝している。

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