ゴールドシップの後を継ぐ「黄金配合」の期待馬アレイオブサン (2ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara

「スタッフからは、『ゆったりとした距離が合いそうなタイプで、長い目で期待したい』と聞いています。夏の頃はまだ精神的に幼かったのですが、それも解消されて、『競走馬としての気持ちがしっかりしてきた』と話していますね。ゴールドシップと入れ替わることにスタッフは縁を感じているようですし、面白い存在でしょう」

 ここまでじっくりと調整されてきたアレイオブサンは、1月5日の3歳新馬(京都・芝2000m)でデビューを迎える。鞍上を務めるのは、川田将雅騎手だ。

 不思議な縁を持つ若駒の初陣ということで、華々しい門出を望みたいところだが、スタッフの言葉どおり、あくまで「長い目で見る」ことが大事なようだ。先述のトラックマンが語る。

「体質の弱さを抱えているようで、なかなか体の成長が進まないみたいですね。本当ならもっと成長を待ちたいところですが、スタッフによれば、『3歳になるので、さすがにもうレースに使わないといけない』とのこと。そんな状態ですから、万全な態勢で臨む初戦とはいかないでしょうね。それに、デビュー戦だからといって、せかして鍛えてもマイナスになるので、陣営はレースを使いながら、じっくり育てていく構えでいます」

 期待馬とはいえ、初戦からトントン拍子に出世していく、というのは厳しい状況のようだ。それでも「黄金配合」となれば、心身の充実を迎えたときには、その力を爆発させるかもしれない。

 ゴールドシップが引退して迎える2016年、アレイオブサンが次なる芦毛のスターになれるのか、注目していきたい。

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