2015年の年度代表馬は、香港マイルを制したモーリスが最有力 (2ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu 村田利之●撮影 photo by Murata Toshiyuki

 最優秀短距離というとピンと来ないかもしれないが、JRA賞においては、1600m以下のレースはこのカテゴリーに属する。これまでにも98年のタイキシャトル、99年のエアジハード、07年のダイワメジャーらがマイル戦での実績で、この賞を受賞している。また、この部門から年度代表馬に選出された例としては前述のタイキシャトルのほか、13年のロードカナロアがそうだった。ともに国内のGIを2勝以上しているのに加え、海外でもGIレースを勝ったという点が共通しており、これはモーリスにも当てはまる。

 このモーリスに待ったをかけるとすれば、宝塚記念(阪神・芝2200m)と天皇賞・秋(東京・芝2000m)のGI2勝を含む重賞6勝のラブリーデイ(牡5歳)と、皐月賞(中山・芝2000m)と日本ダービー(東京・芝2400m)を圧巻の内容で制したドゥラメンテ(牡3歳)の2頭。他にヴィクトリアマイル(東京・芝1600m)とスプリンターズステークス(中山・芝1200m)を勝ったストレイトガール(牝6歳)や、ダートで活躍のホッコータルマエ(牡6歳)やコパノリッキー(牡5歳)らが大タイトルで2勝を挙げているものの、やや見劣りするのは否めない。

 ラブリーデイは有馬記念の結果やパフォーマンス次第では、モーリスを大きく凌ぐ可能性を残していた。例えば、13年は最優秀短距離馬のロードカナロア(牡5歳・当時)が年度代表馬にも選出されたが、最優秀4歳以上牡馬は引退レースの有馬記念を大楽勝し、凱旋門賞でも2年連続の2着に健闘したオルフェーヴル(牡5歳・当時)がロードカナロアをおさえて選出された()。日本では短距離よりも中長距離、香港よりもフランスの方を重視することがあるという傾向に加え、あれだけのパフォーマンスを残したオルフェーヴルを手ぶらにさせるわけにはいかないという心情も手伝ってのものだろう。
※13年最優秀4歳以上牡馬の投票数はオルフェーヴル176票、ロードカナロア106票、年度代表馬は ロードカナロア209票、オルフェーヴル69票、その他2票であった

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