荒れる有馬記念。人気薄の激走パターンで見えた「穴馬2頭」 (4ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • 村田利之●撮影 photo by Murata Toshiyuki

 ところで、不安を抱える実績上位の古馬たちの中で、その影響が最も読みづらいのは、「気分屋」と言われるゴールドシップだ。“ラストラン”ということもあって、もしレースに集中して能力を発揮することができれば、2012年以来、2度目の有馬記念制覇を決めて、有終の美を飾る可能性がある。

 そうなった場合は、やはりゴールドシップが勝った2012年の結果が馬券のヒントになるのではないだろうか。2012年の有馬記念の結果は以下のとおりだ。

◆2012年の有馬記念
1着=ゴールドシップ(牡3歳/1番人気)
2着=オーシャンブルー(牡4歳/10番人気)
3着=ルーラーシップ(牡5歳/2番人気)

 ここで見逃せないのは、人気薄で2着に飛び込んできた、オーシャンブルーだ。

 オーシャンブルーは、その年の夏の時点では、まだ1000万条件の下級クラスの馬だった。しかしそこから、着実にクラスを上げていって、有馬記念直前のGII金鯱賞(中京・芝2000m)を快勝。初の重賞制覇を飾ると、その勢いに乗って、有馬記念でも2着に入った。

 その前例から重視したいのは、夏場まで下級クラスにいて、前走で初の重賞制覇を遂げた“上がり馬”であること。

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