ゴールドシップは、有馬名物「奇跡のラストラン」を見せられるか (2ページ目)

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo
  • 村田利之●撮影 photo by Murata Toshiyuki

 有馬記念でのラストランと言えば、オグリキャップやトウカイテイオーの例にもあるように、かつての栄光を失いかけた名馬たちが、最後の最後で感動の復権を遂げる舞台でもある。ファン投票でゴールドシップを1位にしたファンの思いの中にも、少なからず"あの感動をもう一度"といった願いが込められているに違いない。

 そして陣営も、6つのGIのうち、4つの栄冠をともに手にしてきた、かつてのパートナー内田博幸騎手を最後の鞍上に配してきた。感動の舞台に華を添える準備は万全である。

 では、今年の有馬記念で、そうした願いや思惑どおり、ゴールドシップの復権はなるのか。

ゴールドシップは有馬記念で有終の美を飾ることができるかゴールドシップは有馬記念で有終の美を飾ることができるか 気性面の課題が相変わらず解消されておらず、その不安は大きい。まして、それ以上に心配なのは、先に記したここ2戦のふた桁着順である。

 ゴールドシップもすでに6歳。競走馬としては、「これ以上」はなかなか望めない年齢だ。しかも、海外遠征を含めて、これまでに27戦ものレースを消化している。それに、そのほとんどが熾烈な争いを強いられてきた大舞台である。心身両面の消耗は、決して小さくはないだろう。

 そう考えると、前2走のふた桁着順は、競走能力においても、ファイティングスピリットにおいても、ゴールドシップの"衰え"を物語る結果かもしれない。そうした疑いを抱くと、復権など望むべくもない。

 はたして、その真相はどうなのか。

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