【競馬】有力馬にはワケがある。大激戦の「2歳牡馬ランキング」 (4ページ目)

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 4位は、シルバーステート(牡2歳/父ディープインパクト)。バティスティーニと同じく、重賞勝ちはないものの、2勝を挙げたレース内容が高評価につながったようだ。

吉田氏
「シルバーステートがレコード勝ちした未勝利戦は、同日にシュウジが勝ったオープン特別の中京2歳S(7月25日/中京・芝1600m)よりも、勝ちタイムが1秒3も速かった。さらに、次走を見据えて7割程度の仕上げで挑んだ500万条件の紫菊賞(10月17日/京都・芝2000m)では、上がり32秒7という驚異的な瞬発力を発揮して快勝しました。新馬の頃に比べると、腰回りもだいぶパンとしてきました。それでもまだ、未完成の状態。それでいて、3戦2勝という実績を残している点は、十分に強調材料となるでしょう。一頓挫あって、東スポ杯2歳Sは回避しましたが、品のある馬体と風格ある立ち居振る舞いは、一流馬のそれ。陣営も『クラシックに乗せないといけない馬』という期待の一頭で、ダービーへ向けて磐石のレールが敷かれていると思います」

土屋氏
「管理する藤原英昭調教師が、『(シルバーステートは)とにかく心臓が強い。馬体の完成はまだ先だけど、大きいところを勝たせなくてはいけない馬』と絶賛。今後は、一頓挫あってからの立て直しになりますが、2歳の時点で消耗することを避けられたことが、先々につながると思います」

 5位は、新潟2歳Sの勝ち馬ロードクエスト。最後方から前方馬群をごぼう抜きした、ド派手なパフォーマンスに度肝を抜かれたファンも多かったに違いない。

木南氏

「重賞の新潟2歳Sはもちろんのこと、新馬で破った相手も、のちにサウジアラビアロイヤルCを勝ったブレイブスマッシュと、勝った2戦はともに中身の濃い内容でした。血統的にはややマイナーですが、父マツリダゴッホ、母父チーフベアハート、母母の父リアルシャダイと、距離不安は皆無。今後の走りにも注目です」

吉田氏
「マツリダゴッホ産駒らしい頭の高さと、長めの首差し、さらに胴長&脚長の体形で、父が活躍した中・長距離にも適性はありそう。そういう意味では、距離的にはダービー向きも、父同様に中山巧者の可能性は高く、次走のホープフルSは、来年に向けての試金石となるでしょう」

 5位以下は、プロディガルサン(牡2歳/父ディープインパクト)、リオンディーズ(牡2歳/キングカメハメハ)、ハートレー(牡2歳/父ディープインパクト)ら、注目度の高い良血馬が続く。これらも、今後のパフォーマンス次第では、一気にランキングを上げてきてもおかしくない。刻一刻と変わっていきそうな、牡馬クラシック戦線の熾烈な争いは見逃せない。

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