【競馬】チャンピオンズC制覇へ、「超本気」な外国馬ガンピット (4ページ目)

  • 土屋真光●文 text&photo by Tsuchiya Masamitsu

 香港ジョッキーズクラブの発表によれば、香港のAWの標準タイムは、1800m戦で1分48~49秒。日本のダート1800m戦に比べて相当速いが、馬場の表層は決して薄いわけではない。

 中京競馬場のダートは、表層であるクッション層には海砂が9cm敷かれている。翻(ひるがえ)って香港のAWは、砂、松皮(5mm以下に砕かれたもの)の混合物による5~7.5cmのクッション層に、同じ混合物で密度を高めた7.5~10cmのセミコンパクト層で構成されている。ということは、中京のダートコースよりも好時計が出やすい馬場でありながら、表層が約15cmある香港のAWコースは、むしろ良馬場であれば、パワーを要する馬場になっていると考えられる。

 ガンピットは、7戦すべて良馬場で勝っている。そのことを踏まえれば、日本の深くて重いダートコースに対応できる可能性は十分にある。

「ここで好走するようなら、東京大賞典(12月29日/大井・ダート2000m)も視野に入れてある。そうは言っても、まずはここが全力投球。(日本馬には)強い馬が3頭くらいいるのは聞いているけど、ガンピットにも期待してほしいね」(ファウンズ調教師)

 今年の高松宮記念を制したエアロヴェロシティをはじめ、日本の短距離、マイルGIで旋風を巻き起こして、数多くの栄冠を獲得してきた香港馬。ガンピットが、それら偉大なる先輩たちに続いてもおかしくない。

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