【競馬】タイムレスメロディ、ダービー馬の血筋たる「潜在能力」 (2ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara

「スタッフからは、『血統馬らしく、見栄えのする馬体』というコメントが聞かれました。『いいモノを持っているし、将来的には期待している』とのことですね。現時点では、12月6日の2歳新馬(阪神・芝1400m)をデビュー戦に定めているようです」

 良血馬が数多く所属する高野厩舎にあって、「タイムレスメロディの素質に対するスタッフの期待値はもともと高かった」とのこと。持っている潜在能力は、すでにスタッフも感じ取っていたということだろう。

 とはいえ、その素質の開花については、長い目で見たほうがよさそうだ。先述のトラックマンが続ける。

「調教で強い負荷をかけると、スクミ(※筋炎や筋肉痛の悪化したもの)が出てしまうなど、まだ少しひ弱な面があるようです。デビュー戦からいきなり勝ち負けできるかどうかは、微妙なところですね。

 それでもスタッフは、『体がしっかりすれば、必ず走ってくれるはず』と、タイムレスメロディの資質に対する疑問は持っていません。レースを経験させながら、無理をさせることなく、大事に使っていく方向のようです。"それだけの血統馬だからこそ"という面もあるでしょう」

 2歳時は体質面から順調に使えなかった馬でも、成長とともに高い能力を見せたケースは山ほどある。タイムレスメロディも、体質強化とともに、その血の力を少しずつ発揮していくことだろう。その秘められた素質が開花する瞬間を、楽しみにしたい。

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