【競馬】10年ぶり制覇なるか。JCはこの外国馬が不気味で怖い (3ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • 沢田康文●撮影 photo by Yasufumi Sawada

 イラプトのオーナーであるニアルコス・ファミリーは、これまでにヌレイエフ、キングマンボといった世界的な名馬を所有。ジャパンカップにも、過去に多くの有力馬を送り込んできた。1994年に4着、翌1995年に3着と好走したエルナンド(1994年凱旋門賞2着)や、2004年に凱旋門賞を制したバゴ(2005年ジャパンカップ8着)などがそうだ。

 そうした実績から、ジャパンカップに対する本気度はかなり高いと見ていい。調整も抜かりなく、ここで世界レベルの強さを見せつけてもおかしくない。

 このイラプトに続くのが、トリップトゥパリス(せん4歳/イギリス)。近年のトレンドのひとつにもなっている、オーストラリア・メルボルンを中心に開催されるスプリングカーニバル(毎春行なわれるオーストラリアの競馬の祭典)を経て、日本にやって来るヨーロッパの調教馬だ。

 同馬が重賞戦線に名を連ねるようになったのは、4歳となった今年から。それでも、オーストラリアのGIコーフィールドカップ(10月17日/コーフィールド・芝2400m)で2着と好走すると、続くオーストラリア最大のレース、GIメルボルンカップ(11月3日/フレミントン・芝3200m)でも4着と健闘。日本から参戦したフェイムゲーム(牡5歳。13着)、ホッコーブレーヴ(牡7歳。17着)らとは対照的な結果を残した。

 主な実績は他に、イギリスのGIアスコットゴールドカップ(アスコット・芝4000m)勝ちなどがある。その成績から、一見するとコテコテの長距離馬に映るかもしれないが、オーストラリア遠征で手綱をとり、今回のジャパンカップでも鞍上を務めるトミー・ベリー騎手は、「(トリップトゥパリスのことを)単なるステイヤーといった、変なイメージは持たないほうがいい」と語る。

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