【競馬】10年ぶり制覇なるか。JCはこの外国馬が不気味で怖い (2ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • 沢田康文●撮影 photo by Yasufumi Sawada

 フランス在住の競馬ジャーナリスト沢田康文氏は、イラプトの実力を高く評価。「速い馬場にも適性がある」と分析する。

「今年のフランスの3歳牡馬では、仏ダービー馬で、凱旋門賞3着のニューベイ(牡3歳)に次ぐ、2番手の存在。道悪の馬場だったニエル賞では大差の4着に敗れましたが、乾いた馬場で行なわれた凱旋門賞では、着順は5着と落としながらも、勝ち馬とは4馬身差と巻き返しました。今年の凱旋門賞5着は、とても価値があるものです。力があるのは確かで、同時期のフリントシャーと比べても遜色ないと思います」

 この馬が勝ったパリ大賞は、前述のフリントシャーも3歳時に制しているレースで、2006年の勝ち馬レイルリンクは、その秋にディープインパクトが出走した凱旋門賞を制覇。このレースを機に、その後飛躍を遂げている馬は少なくない。前述の沢田氏が続ける。

「(イラプトの)陣営は、パリ大賞を勝った直後から、ジャパンカップに興味を示していました。パリ大賞の勝ち馬は、ジャパンカップにおける褒賞金()を得られる対象馬ですからね。もしイラプトがジャパンカップを勝てば、1着賞金3億円プラス、褒賞金8000万円を手にすることができて、その金額は凱旋門賞の勝ち馬の賞金(500万ユーロ)とほぼ同じ。当然、勝負度合いは高いと思います。

 とはいえ、賞金狙いで無理に出走するわけではありません。現地11月12日の朝、主戦のパスキエ騎手の騎乗で国内最終追い切りを行なって、そこで状態をしっかりと確認したうえで、正式にジャパンカップの招待を受諾しました。レースに向けて、それだけ万全を整えての参戦です」
※海外の指定競走における優勝馬が、ジャパンカップに出走して結果を出した場合(1~3着馬)に得られる賞金。

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