【競馬】菊花賞初挑戦の遅咲きハービンジャー産駒が激走する

  • 平出貴昭(サラブレッド血統センター)●文 text by Hiraide Takaaki  photo by Nikkan sports

 ハービンジャー自身も、3歳4月の遅いデビューで、4歳時に重賞4連勝で"キングジョージ"を制した遅咲きタイプだった。まさに、菊花賞こそハービンジャー産駒の本領発揮の舞台となるはずだ。

 そのハービンジャー産駒の中でも筆者最大の注目馬はマッサビエル。祖母はオークスなどGI5勝のメジロドーベルで、今年のGI安田記念を勝ったモーリスとも同じ、メジロボサツに辿り着く牝系という良血馬。ステイヤーの名馬が多い"メジロ血統"の馬にはメジロデュレン(1986年)、メジロマックイーン(1990年)と2頭の菊花賞馬がおり、本馬もそれに続きたい。GII神戸新聞杯(9月27日/阪神・芝2400m)では13着と大敗したが、ひと叩きしての上積みが期待できる。

 ベルーフは今のところハービンジャー産駒唯一の重賞ウイナー。2歳時に新馬勝ちし、今年1月のGIII京成杯で重賞制覇を飾るなど早い時期から活躍を見せてきた。皐月賞では12着と大敗したが、この夏から秋にかけ、GIII小倉記念(8月9日/小倉・芝2000m)2着、GIIセントライト記念(9月21日/中山・芝2200m)5着と巻き返し、復調気配を見せている。母の全兄はあの名馬ステイゴールド。種牡馬としてオルフェーヴル、ゴールドシップと2頭の菊花賞馬を出しており、菊花賞はピッタリの配合馬だ。

 スティーグリッツは中山芝2500mの1000万下特別・九十九里特別(9月26日)を快勝しての参戦。母の兄にセントライト記念のキングストレイルがいて、牝系にはタイキシャトルやシンコウラブリイなどの名馬が名を連ねる。マイラーの多い一族ではあるが、英オークス馬ブルーウィンドやアルゼンチン共和国杯(東京・芝2500m)を勝ったタイキエルドラドなどもいるように、種牡馬によっては中長距離タイプも出している。

 以上、今年の菊花賞はハービンジャー産駒3頭を中心に狙っていきたい。

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