M・デムーロ騎手が来春のクラシックを夢見る「5頭の2歳馬」 (2ページ目)

  • 新山藍朗●構成 text&photo by Niiyama Airo

――そうやって、海外から腕のいいジョッキーが来ることで、「日本の競馬が面白くなる」とよく言われます。一方で、外国人ジョッキーが活躍できるのは、「日本の騎手のレベルに問題がある」という声もあります。日本の騎手の技量については、どう見ていますか。

「みんな、上手い! すごいよ! ユタカさんは、天才ね。世界中の競馬場に行って、どこでも勝ってきた。そんなこと、なかなかできないよ。ユーイチさん(福永祐一/38歳)も、昨年香港の『ロンジン・インターナショナルジョッキーズチャンピオンシップ』で優勝しました。ボク、JRAのジョッキーになる前は香港にいたからよく知っているけど、舞台となったハッピーバレーはとても難しい競馬場(香港Cなど国際的な大レースが行なわれるのは、シャティン競馬場)。そこで、ユーイチさんは(抽選で)そんなにいい馬には乗れなかったのに、(4戦して)ふたつも勝った。現地のみんな、びっくりしていたよ」

――ただこの夏、札幌で行なわれた『ワールドオールスタージョッキーズ』では、香港のモレイラ騎手が優勝。日本の競馬ファンは、その手腕の高さに唸らされました。あのような"スーパー騎乗"を見ると、日本の騎手には何か物足りなさを感じてしまいます。

「モレイラのことはよく知っている。確かに、彼は上手い騎手だね。でも、あのときの彼は、いい馬ばかり乗っていた。騎乗馬に恵まれたと思うよ。それより、まったく人気のない馬を2着に持ってきたユタカさんのほうが、技術的には上だった。それなのに、日本のファンも、マスコミもみんな、『モレイラ、うまい!』『モレイラ、すごい!』って......。その評価には、ボクはちょっと悲しかったね。日本の競馬は、馬も、施設も、ファンも、世界一。同じように、騎手も世界一。そこに、もっとプライドを持つべきと思う」

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