【競馬】この秋、春のリベンジ狙う「無冠の女王」ルージュバック (2ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • 村田利之●撮影 photo by Murata Toshiyuki

 血統評論家の栗山求氏は、血統面から見ても、ルージュバックがじっくり備えて好機を待つことは「いい判断だと思う」と語る。

「母ジンジャーパンチは、アメリカ古馬牝馬のチャンピオンに輝いた名牝。本来は晩成傾向にある血統です。そういう意味では、ルージュバックもこれからが楽しみ。桜花賞は展開に泣き、オークスは決して万全とは言えない状態で2着でした。体調さえ戻れば、頂点に返り咲く可能性は高いと思います」

 一説には、秋華賞もスキップして、ジャパンカップ(11月29日/東京・芝2400m)を目指す、という話もある。1996年には、春のNHKマイルC(東京・芝1600m)で1番人気に推されて14着と惨敗したファビラスラフインが、秋には秋華賞を制し、3歳牝馬(当時の年齢表記は4歳)ながらジャパンカップでも2着と大健闘した。もともと牡馬一線級を相手にしなかったルージュバック。ファビラスラフインと同様、いやそれ以上の飛躍があってもおかしくない。

 他にも、ルージュバックと同じく牝馬クラシック第1弾の桜花賞に3戦3勝で臨み、この春、注目を集めた馬がいる。クイーンズリングキャットコインである。彼女たちも、春の二冠は期待を裏切ってしまったが(※)、今秋の巻き返しを虎視眈々と狙っている。
※クイーンズリングは、桜花賞4着(3番人気)、オークス9着(5番人気)。キャットコインは、桜花賞7着(6番人気)、オークス12着(8番人気)

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