【競馬】日本競馬界の「異端児」パカパカファームの未来 (3ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • 写真提供●パカパカファーム

 スウィーニィ氏の、日本のホースマンとしての夢も尽きない。

「小さい頃から私が見てきたのは、凱旋門賞をはじめとしたヨーロッパのビッグレース。ですから、そういったレースにパカパカファームの生産馬が出てくれたら、とてもうれしいです。でも、それよりも大切なのは、日本のビッグレースで生産馬が勝つこと。もう日本にずっといるし、これからも日本でやっていきます。だから、少しでも日本のレースで生産馬が活躍してほしいですね」

 来日前は、日本の競馬を「まったく知らなかった」というスウィーニィ氏。そんな彼も、今では「ダービーはもちろん、皐月賞や天皇賞、有馬記念など、日本のGIを勝てるのであれば、どんなレースでもうれしい」と語る。25年の時を経て、彼は日本の競馬にどっぷりと浸かったのだった。

 ただ、彼が牧場経営をしていてうれしい瞬間は、生産馬がレースを勝つことだけではない。

「牧場をやっていてうれしいのは、無事に子馬が生まれたとき。健康な子馬が生まれて、母馬も無事だとわかった瞬間は、いつも胸が一杯になります。あの瞬間は本当に素晴らしいですね。あとは、夜一人で事務所のデッキに出て、牧場の景色を眺めながらワインを飲むのも楽しいですよ(笑)。家族のことや、牧場の未来を考えるんです」

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