【競馬】日本競馬界の「異端児」パカパカファームの未来 (2ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • 写真提供●パカパカファーム

 本人も「まったく想像していなかった」という、日本での長い"戦い"。半年の滞在という想定をはるかに超え、日本に来てから25年の月日が流れた。そして今、彼はホースマンとして、日本で最後まで"戦う"ことを決意している。

 ゆえに、スウィーニィ氏の胸中には、こんなプランがある。

「私には子どもが4人いて、上の3人は社会人や大学生となって、もう独り立ちしています。そしてまもなく、末っ子も大学に行きます。そうしたら、こちらにマイホームを建てて、妻をアイルランドから呼ぼうと思っているんです。もう家を建てる場所は決めていて、これから建築士とデザインを考えていくつもり。もちろん、そのときまでにお金があれば、ですけどね(笑)」

 結婚してすぐに来日したスウィーニィ氏は、当初夫人と一緒に日本で生活していた。しばらくして子どもができると、アイルランドに夫人を帰して、単身赴任の生活を送ってきたが、これからはまた、愛妻とともに日本で"奮闘"していくという。

 そしてスウィーニィ氏は、愛妻と暮らしていくマイホームを建てる場所へ、早速案内してくれた。そこは、パカパカファームの敷地の一角で、小高い丘になっている地点。「ここからなら、いつでも牧場が一望できます。すぐに馬の様子を見られるので、安心ですよ」と、目を輝かせた。

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