【競馬】新潟2歳S、波乱の使者は東京デビューのヒプノティスト (2ページ目)

 なかでも、人気を集めそうなのは、ロードクエストです。その鋭い決め脚は、やはり大きな魅力となるのでしょう。しかも、このレースでは過去10年、メンバー中最速の上がりをマークした馬が6勝、2着3回と好成績を収めています。デビュー戦を踏まえれば、おそらくこの馬が最速の上がりをマークする公算が大きく、そうした過去の記録からも、有力視される一頭と言えます。すごく柔らかく、いかにもキレそうな走りをしていますしね。

 とはいえ、懸念材料もあります。まずは馬場です。

 以前、新潟2歳Sは開催最終週に行なわれていました。それが、2012年から1週前倒しになって、その翌年からは8週開催だった夏の新潟が、6週開催に短縮されました。そのため、以前は馬場の荒れた内を通った馬は伸びず、大外を回って速い上がりを記録した馬が好走する舞台でしたが、最近では以前ほど馬場が荒れず、大外一気だけでは通用しなくなり、好位からの競馬が求められるようになってきた印象があります。

 実際、ハープスターやアヴニールマルシェこそ、大外を回って結果を出していますが、近年の他の上位入線馬は、好位から抜け出して、馬場の真ん中辺りから伸びてきています。そうした状況にあって、キャリア1戦で、揉(も)まれる競馬をしていないロードクエストには、一抹の不安を感じます。

 また、僕の牧場での経験上、マツリダゴッホ産駒は、レースを使っていくと、だんだんテンションが上がっていく馬が多いように感じます。事実、同産駒の馬は早々に初勝利を挙げても、2勝目を挙げるまでに時間がかかってしまう馬が多いですからね。その点も気がかりです。

 何にしても、ロードクエストにとっては、ここは試金石の一戦。あっさりクリアできればGI級の馬に化けるかもしれませんが、逆に敗れるようだと、それこそ2勝目が遠のいていく可能性もありそうです。

 好位からの競馬が求められることを考えれば、そのレースぶりからして有力なのは、ルグランフリソンやウインミレーユあたりでしょうか。さらに混戦になれば、勝負強いペルソナリテにも出番がありそうです。

 ペルソナリテは、馬体重400kgそこそこと小柄な牝馬ですが、前走のダリア賞でも馬込みを割って勝利。その勝負根性には感服させられました。たぶん、メンバーが強くなっても、相手なりに走れるタイプだと思います。

 それに、中2週の厳しいローテーションが不安視されていますが、こういうタイプの馬は、休ませて緩めると気が抜けてしまうことがあり、気が張ったままの状態で続戦をしたほうがいい場合もあります。唯一の2勝馬にしては評価が低いようですが、決して侮れない存在だと思います。

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