【競馬】2歳戦は鉄板! ディープ産駒は今年から「真骨頂」に (2ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Nikkan sports

 2007年に初めて種付けを開始したディープ。その「初年度産駒」がデビューしたのは、3年後の2010年夏以降だった。もちろん、ディープはその間も毎年多数の繁殖牝馬と種付けしているが、2010年の春までは、ディープ産駒がどのくらい走るのかわからない状況だった。

 これは、どの新種牡馬にも言えることで、産駒がデビューするまでの序盤4シーズンの種付けは、生産者にとって「半信半疑」といっても過言ではない。しかも「名馬が名種牡馬になる」とは限らないのがこの世界である。実際、ディープインパクトの種付け頭数を見ると、初年度(2007年)は215頭、2年目(2008年)は232頭と増えたものの、3年目(2009年)は種付け料が200万円下がりながら171頭に減少。4年目(2010年)の春は、種付け料がさらに100万円下がったにもかかわらず、219頭と2年目には及ばなかった(他の種牡馬と比べれば、種付け頭数が多いことに変わりはないが)。

 しかし、2010年の夏以降にディープの子がデビューし始めると、産駒が驚異的な活躍を見せた。2歳新種牡馬のさまざまな記録を塗り替えていったのだ。それに合わせて、5年目(2011年)の種付け頭数は、229頭に増えた。

 そして、さらに圧巻だったのは、初年度産駒がクラシックを迎える2011年。マルセリーナが牝馬クラシックの桜花賞(阪神・芝1600m)を快勝し、リアルインパクトが古馬相手に安田記念(東京・芝1600m)を制して、2頭のGI馬が誕生した。加えて、夏以降には2世代目の産駒がデビューし、2歳女王を決める阪神ジュベナイルフィリーズ(阪神・芝1600m)を、ジョワドヴィーヴルが制覇。産駒デビュー2年目で、早くも3頭ものGI馬を出したのだ。

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