【競馬】追悼マンハッタンカフェ。その魂は再ブレイク中の産駒に! (2ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Kyodo News

 その後も、ヒルノダムール(牡。2011年GI天皇賞・春優勝)や、グレープブランデー(牡。2013年GIフェブラリーS優勝)と、GI馬を輩出。2007年以来、産駒が毎年重賞勝ちを収め、種牡馬ランキングでも2008年以降は常にベスト10以内をキープしてきた。

 しかし、レッドディザイアらが重賞12勝()を挙げた3世代目(2006年生まれ)、ヒルノダムールらが同10勝を挙げた4世代目(2007年生まれ)以降は、やや低迷。2010年、2011年生まれの産駒に至っては、現在まで重賞馬がゼロと、種牡馬として陰りが見え始めていた。
※重賞はすべて中央競馬のもの。勝利数も同様。また、そのデータは8月17日時点。以下同。

 その要因は、ディープインパクトをはじめ、ハーツクライやダイワメジャーなど、同じサンデーサイレンスを父に持つ種牡馬が次々に台頭してきたからに他ならない。だとすれば、このままマンハッタンカフェ産駒は、低迷の一途をたどってしまうのだろうと思われた――が、2012年生まれの現3歳世代が、急に息を吹き返したように活躍し始めた。

 その勢いは、勝利数にもはっきりと示されている。2010年生まれの現5歳世代産駒が3年あまりで計77勝、2011年生まれの現4歳世代産駒が2年あまりで計66勝に対して、現3歳世代産駒はわずか1年あまりですでに計52勝をマーク。前の2世代との差は歴然だ。また、前述したとおり、現3歳世代はルージュバックをはじめ、重賞勝ち馬も次々に誕生し、重賞未勝利の前の2世代とは明らかに産駒の"質"が違う。

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