【競馬】短期間でブランドを築いた小牧場
パカパカファームの「強み」

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • 写真提供●パカパカファーム

『パカパカファーム』成功の舞台裏
連載●第51回

アイルランド人のハリー・スウィーニィ氏が代表を務めるパカパカファーム。2001年に開場した同牧場は、すでに3頭のGI馬を輩出し、牧場としてのブランドを築きつつある。それにしてもなぜ、パカパカファームはここまでの飛躍を遂げることができたのか。スウィーニィ氏や、牧場で働くスタッフに話を聞いて、その理由を探ってみた――。

広大な牧場で仔馬たちが元気に駆け回っているパカパカファーム。広大な牧場で仔馬たちが元気に駆け回っているパカパカファーム。 ハリー・スウィーニィ氏が、2001年に開場したパカパカファーム(北海道)。同牧場では、2007年のNHKマイルカップを制したピンクカメオを皮切りに、2012年日本ダービーのディープブリランテ、2015年NHKマイルカップのクラリティスカイと、3頭のGI馬を輩出してきた。開場から14年、その中で手にしたGI3勝の実績は、まさに快挙と言える。

 ここまで牧場が軌道に乗るには、いくつもの要因があるはずだ。まずは、パカパカファームの「強み」について、牧場で働くスタッフたちがどう考えているのか、話を聞いてみた。

 パカパカファーム開場時からの一員で、現在はフォーリングマネージャー(生産担当)を務める伊藤貴弘氏は、「細かな管理」をパカパカファームの強みとして挙げた。

「パカパカファームは、仔馬の管理がマメだと思います。例えば、各馬の馬体重は週に一回量って、その増減の仕方を見ながら、馬に与えるエサを変えています。また、サラブレッドは『削蹄(さくてい)』という蹄(ひづめ)を削る作業をしなければならないのですが、これについても、専属の削蹄師に毎週来てもらっています。削蹄自体は月に一度なんですが、蹄の微調整や歩様の確認などを毎週行なっています」

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