【競馬】外国人牧場長が訴える、中小牧場発展のための「手立て」 (4ページ目)
パカパカファームの開場以来、スウィーニィ氏はコネクション作りに力を入れてきた。牧場は、生産馬を購入してくれる馬主がいてこそ、成り立つからだ。ゆえに、牧場スタッフとは別に、コミュニケーションマネジャーを登用。現在は、女性マネジャーのケイト・ハンター氏が各競馬場や調教施設などで馬主や厩舎スタッフとの関係作りに奔走している。
さらに、アイルランドにあるラグビースタジアムの年間シートを、パカパカファームでふたつ確保しているという。馬主やバイヤーなどをそこに招待して、交流の場として活用しているようだ。
そこまでコネクション作りを重視しているスウィーニィ氏ゆえ、競馬場で交流の場が作られることを願っている。馬主と牧場関係者が一緒にレースを観戦すれば、両者の距離が一層親密になったり、新たなつながりが生まれたりするのは間違いないからだ。
こういった「提言」を胸に秘めながら、ここまで素晴らしい発展を遂げてきたパカパカファーム。では、スウィーニィ氏やスタッフの人たちから見て、この牧場の“強み”はどこにあると考えているのか。次回は、「パカパカファームの強み」に迫る。
(つづく)
ハリー・スウィーニィ
1961年、アイルランド生まれ。獣医師としてヨーロッパの牧場や厩舎で働いた後、1990年に来日。『大樹ファーム』の場長、『待兼牧場』の総支配人を歴任。その後、2001年に『パカパカファーム』を設立。2012年には生産馬のディープブリランテが日本ダービーを制した。
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