【競馬】外国人牧場長が訴える、中小牧場発展のための「手立て」 (2ページ目)

  • 河合力●文 text&photo by Kawai Chikara

 例えば、GIレースを制した場合、1998年の「一般生産者賞(現在の「生産牧場賞」)」の賞金は450~800万円だったが、以降はじりじりと減額し、2015年現在の賞金は100万円(同レースに外国産馬が出走している場合は150万円)。同様に、「繁殖牝馬所有者賞」の賞金も減額の一途にある。

 要するに、かつては「一般生産者賞」と「繁殖牝馬所有者賞」を合わせて、最大で1600万円も支給されていた「生産者賞」が、今では、最高で「生産牧場賞」が150万円、「繁殖牝馬所有者賞」が180万円までの支給となっている。それらが、少なからず牧場経営の支えになっていたことを考えれば、スウィーニィ氏が「『生産者賞』の増額をしてほしい」と訴えるのも当然である。

「昨年と比べれば、『生産者賞』は少しだけ上がりました。それでも、以前の額にはとても及びません。GIを勝っても、関係者のパーティーや記念品を作ったら、ほぼなくなってしまうくらいですから。

 正直なところ、中小牧場を運営していくのは、本当に大変です。(パカパカファームも)常に困っていますよ。確かにGI馬が出れば、その弟や妹は高い評価を受けて、それこそ牧場の繁栄につながりますが、小さい牧場にとっては、『生産者賞』もそれに匹敵するものでした。ゆえに、その支給額が減っていくことは、牧場にとって死活問題なんですよ」

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