【競馬】ハープスターの妹「リュラ」。名伯楽の花道を飾れるか (2ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara

 ハープスターとは違った雰囲気を持つリュラだが、もちろん共通している部分もある。日下氏によれば、「背中の可動域は、姉に似ている」とのこと。さらに、姉同様、秘めたポテンシャルは相当なもの。リュラの動きから、それは伝わってくるようだ。日下氏が続ける。

「やはり(リュラには)いいものがありますね。秋のデビューを目標にしているので、春の段階では意識的に調教のペースを上げませんでしたが、動かそうと思えば、いくらでも動きそうでしたから。走り自体も、素軽さがあっていいですね」

 リュラは姉のハープスターと同じく、栗東トレーニングセンター(滋賀県)の松田博資厩舎で現役生活をスタートさせる予定だ。松田調教師は来年2月で定年を迎えるため、必然的に所属もそれまでとなる。

 つまり、3月以降は新たな調教師のもとへ転厩することになるが、それでもリュラを松田調教師に託すのは、同師がこの血統を熟知しているからだろう。リュラやハープスターの祖母に当たり、1993年の牝馬クラシック二冠(桜花賞、オークス)を達成したベガも、管理したのは松田調教師だった。

 まだデビュー前だが、リュラに託された当面の目標は、松田調教師の定年前となる、12月のGI阪神ジュベナイルフィリーズ(阪神・芝1600m)制覇である。日下氏も、「松田先生にとって最後の年になるので、そこを目指したい」と、意気込みを語る。

 ハープスターを姉に持つリュラは、定年前となった名伯楽のもとでどんな競走生活を送るのか。秋のデビューが待ち遠しい。

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