【競馬】宝塚記念、「一強」ゴールドシップに勝てる馬はいるか (2ページ目)

 ゴールドシップ以外では、GIを複数勝っている馬はいません。しかも、前述したワンアンドオンリーとトーホウジャッカルを除けば、あとのGI馬は牝馬。中山記念(3月1日/中山・芝1800m)で牡馬一線級を撃破したヌーヴォレコルト(牝4歳)など、確かに牡馬相手にも遜色ない競馬を見せていますが、ゴールドシップの実績と比較すると、"格下"というイメージが拭えませんね。

 GI馬以外で可能性を感じるのは、カレンミロティック(せん7歳)や、ラブリーデイ(牡5歳)あたりでしょうか。カレンミロティックは、昨年の宝塚記念2着馬で、今年も天皇賞・春では3着と好走しました。一方のラブリーデイも、前哨戦の鳴尾記念(6月6日/阪神・芝2000m)を快勝するなど、今年はすでに重賞で3勝を挙げています。それぞれ勢いがあって、侮れない存在です。が、これらもゴールドシップに勝てるのか? というと疑問ですね。

昨年の菊花賞馬トーホウジャッカルが宝塚記念で復帰する。昨年の菊花賞馬トーホウジャッカルが宝塚記念で復帰する。 さて、今回の「ヒモ穴馬」には、前述している明け4歳馬のトーホウジャッカルを取り上げたいと思います。菊花賞(2014年10月26日/京都・芝3000m)を勝って以降、順調さを欠いている分、仕上がりがカギになりますが、「ゴールドシップを負かすなら、この馬しかいないかな」と考えています。

 当初、阪神大賞典からの復帰予定が、結局、天皇賞・春も使えないほどのアクシデント(調教中に負傷)に見舞われました。ゆえに、順調に使ってきている馬と比べると、相当なハンデがあると思います。しかし、菊花賞の勝ち方には、底なしの地力を感じました。

 ほとんど緩むことのない厳しいペースの中、トーホウジャッカルは早め早めの競馬で、自ら勝ちにいって突き抜けました。それも、ゴール前では"遊ぶ"ほどの余裕があって、勝ちタイム(3分1秒0)がレコードというおまけつき。レースが終わった瞬間、「すごい馬が現れたな」と思いました。

 その分、復帰をとても楽しみにしていましたが、ここまで順調さを欠いてしまったことは残念でなりません。とはいえ、なんとか上半期に出走が叶ったのは、よかったと思います。どこまでやれるかわかりませんが、ゴールドシップを負かす"資質"を秘めていることは間違いありません。一発を期待したいところです。

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プロフィール

  • 大西直宏

    大西直宏 (おおにし・なおひろ)

    1961年9月14日生まれ。東京都出身。1980年に騎手デビュー。1997年にはサニーブライアンで皐月賞と日本ダービーの二冠を達成した。2006年、騎手生活に幕を閉じ、現在は馬券を買う立場から「元騎手」として競馬を見て創造するターフ・メディア・クリエイターとして活躍中。育成牧場『N.Oレーシングステーブル』の代表も務め、クラシック好走馬を送り出した。

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