【競馬】宝塚記念で、昨年のクラシック馬2頭が復活する!

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Nikkan sports

 これだけ十分にお膳立てが揃い、磐石に見えるゴールドシップといえども、不安がないわけではない。ひとつは冒頭でも触れた前人未踏の中央競馬同一平地GI3連覇の高い壁だ。グレード制導入以降、過去にこの記録に挑んだ中で、最も惜しかったのはメジロマックイーン(天皇賞・春91年、92年優勝、93年2着)で、ゴールドシップの母の父であることは少なからぬ因縁を感じさせる。

 また、ゴールドシップのいわゆるやる気のスイッチが、6歳の半ばになっても、どこでオン・オフが切り替わるか見えないということも気にかかる。苦手としていた京都の天皇賞・春で、ややもすれば奇策とも思える競馬を試み、スイッチが入って結果を出した。これを逆に考えれば、これまで必ずオンになっていた阪神コースで、前触れもなしにオフになる可能性も否定できない。
 
 そして、競馬は1頭で走るものではなく、常に相手がいる。中でも、注目したいのが、この宝塚記念で復権を期す、昨年の春の牡牝クラシックで頂点に立ったワンアンドオンリー(牡4)とヌーヴォレコルト(牝4)の2頭だ。

 ワンアンドオンリーは昨年の日本ダービー(東京・芝2400m)を勝利し、秋初戦のGII神戸新聞杯(阪神・芝2400m)も快勝したが、3歳クラシック三冠目のGI菊花賞(京都・芝3200m)では1番人気を裏切って9着に敗れた。その後、ジャパンカップ(東京・芝2400m)7着、有馬記念(中山・芝2500m)13着と低迷。今年3月にUAEドバイに遠征してGIドバイシーマクラシック(メイダン・芝2410m)では3着に健闘したものの、ダービー以降GIタイトルから遠ざかっている。

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